わたしは月曜日から日曜日まで働く父親の背中を見て育ちました。
父は自営で土木業を営んでおり、幼いわたしは父が社長だと言うことを自慢に思っていたように記憶しています。
自分が成長していくにつれて、当然ですが父は歳を重ねていきます。
わたしは朝早くから夜遅くまで休みなく働く父を誇りに思っていました。
わたしが小学生のころ父と母が争っている声で目を覚ましたことがあります。内容は、いつになったら給料が入るのかということでした。
幼いわたしは聞いてはいけないことを聞いてしまったような罪悪感が心に残りました。

やがて高校生となったわたしは、長期の休みには父が管理する現場に出て土方のアルバイトをするようになりました。
現場に顔を出す父と顔を合わせるのが気恥ずかしく、現場ではろくに会話をすることもありませんでした。
現場での残業は工期が迫らない限り、アルバイトの私や作業員として働く人にはありません。
管理者である父は、現場作業が終われば事務仕事を行い、当然ですが新しい仕事を受注するための営業もしなければなりません。
天候が悪ければ何時だろうと現場にかけつけることも当たり前、現場の作業が滞れば夜中や日曜日に事務仕事を行う。

「なぜ父はこんなに働いているのに楽にならないのだろうか」

無知なわたしの心から出た率直な疑問でした。
残念ながらその疑問が解決する前に父の会社は元請けの支払いが滞ったことにより廃業をする選択をしました。
そこに行き着くまでに何度も裁判所に赴き、苦しみながら１人で闘っている父の姿を見て、何もできない自分の無力さを恨みました。

真面目に仕事をしていたのに一体何が足りなかったのだろうか
なぜ自分の給与を止めてでも下請けへの支払いを続けたのだろうか
なぜ元請けから売上が支払われないのに仕事を遂行し続けたのだろうか
馬鹿真面目に約束を守った父は、経営者として失格だったのだろうか

今でも見つからない答えを探すために問い続けています。

経営者の皆さま、
皆さまには家族がいますか？
経営は楽しいですか？
それとも、辛いですか？
楽しいなら最高ですね、素晴らしい選択をなされたのでしょう。経営にはリスクがつきもので、誰でもうまくいくほど簡単ではなく、そのことは経営者であるわたし自身が心底痛感しています。

わたしは、会社を経営することが辛いと感じる方がいなくなることを心から望んでいます。
どうか経営者の方は忘れないでください。あなたを心から応援し、見守る家族がいることを。
いつかのわたしが感じた辛さや苦しみを、同じように感じるご家族がいなくなることを願っています。

わたしたちは大きな理想を抱き、夢を持ち、この社会をより良くするために日々奮闘している経営者の方とそのご家族を支えるための存在になりたいのです。

わたしたちの仕事は世界を変えるような大きなことではないのかもしれません。
それでもわたしたちは、皆さまのビジネス成功の鍵になれるように日々精進をつづけていくことをお約束いたします。

同士として共に考え、喜び、歩み続ける

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喜び、歩み続ける

株式会社KSB